日本映画「万引き家族」に続き、カンヌ映画祭最高賞・パルムドール賞を受賞したアジア映画となりました。
韓国の貧富の差を描いた社会派映画で、重いテーマを扱っていますが、端々にクスっと笑えるコメディ要素が散りばめられており、ブラックコメディとも称されています。
内容はフィクションですが、「心の清い貧乏人、意地の悪い金持ち」というありきたりな人物像ではなく、とても人間味あふれるキャラクターばかりなので、妙にリアルで身につまされるストーリー展開となっています。
ロケ地は主にソウルなのですが、こんな内容の映画なので、どのスポットも一見して気づかないようなディープスポットばかりです。
『あらすじ』
父は失業中、娘と息子は大学受験に失敗、という全員無職のキム一家は、その日暮らしの状態で半地下住宅で暮らしていた。
ある日、長男のギウは海外留学に行く友人から家庭教師先の引継ぎを頼まれる。
そこでギウがたどり着いたのは絵に描いたような豪邸。ギウはその家族・パク一家に気に入られ、今度は妹のギジョンも別のバイトで豪邸に通うようになる。
これをきっかけにキム一家とパク一家はそれぞれ思いがけない運命へと誘われていくのだった・・・。
『主な出演者』
監督:ポン・ジュノ
出演者:ソン・ガンホ(キム・ギテク)、チェ・ウシク(キム・ギウ)、パク・ソダム(キム・ギジョン)、チャン・ヘジン(キム・チュンスク)、イ・ソンギュン(パク・ドンイク)、チョ・ヨジョン(パク・ヨンギョ)、チョン・ジソ(パク・ダヘ)、チョン・ヒョンジュン(パク・ダソン)、イ・ジョンウン(ムングァン)、パク・ミョンフン(グンセ)、パク・ソジュン(ミニョク)ほか
この映画では、撮影前に絵コンテが作成され、その構図通りに映画撮影が進められたそうです。
そのため、スタッフやキャストも映画の各シーンのイメージが理解しやすくなり、撮影効率が上がり、撮影で長時間拘束されることがなかったようです。
映画の内容は「ブラック」コメディですが、撮影側の働きは「ホワイト」な面があったのは面白いですね♪
それに加え、貧乏なキャラには「上から下」、金持ちキャラには「下から上」へと移動するカメラワークを使い分けており、随所に貧乏と金持ちの対比が分かるシーンがあります。
このように、監督の細かいこだわりが感じられる作品となっています。
『映画の舞台・ロケ地』
それでは、映画のロケ地となったソウルのディープスポットを紹介していきます。
城北洞(ソンブットン)
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パク一家の豪邸を訪れるシーンの撮影に使われた場所です。
城北洞には高級住宅街エリアがあり、大使館も所々で見つけられます。このシーンに出てくる道はエルサルバドル大使
ここには映画で登場した豪邸はなく、豪邸はただのセットだったそうです。
紫霞門(チャハムン)トンネル
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キム一家がパク一家の豪邸から半地下住宅まで走って帰るシーンに使われたスポットです。
薄暗いトンネルが二つの家族の貧富の差を表現するのに利用されました。
このトンネルがある付岩洞(プアムドン)エリアは芸術家が集まるところであり、美術館やおしゃれなカフェなどが多く、週末デートに利用する人も多いそうです。
スカイピザ
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キム一家がピザの箱を組み立てるというアルバイトで登場したピザ店です。映画では「ピザ時代(ピザシデ)」という名前になっていました。
店頭には店主とポン・ジュノ監督の写真が印刷された横断幕があるので、一目で分かることでしょう。
個人経営の店で、店内には席が少ないので、テイクアウトするお客さんでにぎわっているそうです。
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『周りの観光スポットやツアー』
駱山(ナッサン)公園
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城北洞エリアにある市民の憩いの場となっている公園です。
小高い丘の上に位置しているので、急な坂道や階段が多く、歩きやすい靴で行くことのがベストです。
夜になると、ソウルの夜景が眼下に広がり、ロマンチックな雰囲気を楽しむことができます。
散歩やデートなど、朝から夜まで楽しめるスポットとなっています。
紫霞(チャハ)美術館
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付岩洞エリアのスポットで、ソウルで一番高いところにある美術館です。
展示室は1階と2階部分にあり、絵画や彫刻など、様々なアートを鑑賞できます。
山の中腹に位置しているので、2階からは美しい景色を眺めることができます。
『現地の食べ物・おみやげ』
パップチッコティウリム
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城北洞エリアにあるレストランです。伝統的な朝鮮の建築様式の韓屋で、元々は住居として利用されていたそうです。
ハスの葉で包まれたおこわの「蓮葉ご飯(ヨンイップパップ)」、味噌やコチュジャンで山菜などを漬け込んだ韓国の漬物「チャンアチ」など、他では味わえない韓国グルメを数多く取り揃えています。
紫霞ソンマンドゥ
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付岩洞エリアにあるレストランで、昔ながらの韓国式餃子を提供しています。
レストランは白と茶色を基調とした落ち着いた雰囲気となっており、ゆったりくつろげる座敷席もあります。
おすすめは「餅入り餃子スープ」です。黄色、緑、ピンク、白のカラフルな餃子は味だけでなく、目でも楽しませてくれます。
『交通機関』
ソウルへは仁川(インチョン)空港もしくは金浦(キンポ)空港を利用します。
成田空港から仁川空港へは直行便で約2時間半です。
仁川空港から市内への移動は空港バスや空港鉄道を利用するのがオススメです。
現在は新型コロナウイルスによる航空便の欠航、外務省からの渡航情報も出ているため、渡航の際には運行情報・渡航情報も確認されることをお勧めします。
『オススメのホテル・航空チケット』
『まとめ』
「パラサイト 半地下の家族」のロケ地紹介を通して、多くの人が知らないソウルのスポットを紹介しました。
有名な明洞や東大門などの観光地もいいですが、それらに行った後にディープなソウルのスポットを散策してみるのも面白いことでしょう。
ショッピングスポットだけでなく、今回紹介したような韓国の現代の街並みや伝統的な建築のあるスポットを訪れ、ソウルの様々な顔を覗いてみてください!
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