2013年公開のファンタジー・コメディ映画「LIFE!/ライフ」。臆病で空想好きのさえないサラリーマン、ウォルター・ミティが、ある事件をきっかけに、空想から徐々に目覚めて、現実世界を歩き出します。監督、制作、主演は「ナイトミュージアム」などで有名な、ベン・スティラー。ベンの得意とするコメディとヒューマンドラマの真ん中ぐらいのジャンルで、見るとほっこりとさせてくれます。
この映画のほとんどのロケ地はアイスランドというのも、ちょっと変わっている注目ポイント。大自然の絶景を舞台に、ロケ地情報をたっぷりお届けしたいと思います。B級グルメもお見逃しなく!
あらすじ
主人公のウォルター・ミティは出版社に勤めるサラリーマン。アメリカの人気写真誌「LIFE」で写真を管理している。素晴らしい写真を通して、広い世界に思いを馳せながらも、本人は臆病で引っ込み思案。平凡な毎日を愛している。
ところが「LIFE」は廃刊が決まり、その大事な最終号の表紙写真をウォルターは失くしてしまった…!?一大決心をしたウォルターは、カメラマンを探す大旅行に北欧へ出かける。仕事でかかわっていた「LIFE」の表紙写真を探すつもりが、自分自身の人生(LIFE)探しが始まる…。
主な出演者
監督・製作: ベン・スティラー
キャスト:
ベン・スティラー(ウォルター・ミティ)
クリステン・ウィグ(シェリル・メルホフ)
アダム・スコット(テッド・ヘンドリックス)
キャスリン・ハーン(オデッサ・ミティ)
シャーリー・マクレーン(エドナ・ミティ)
ショーン・ペン(ショーン・オコンネル)
パットン・オズワルト(トッド)ほか
原作は1947年に書かれたジェームズ・サーバーの短編小説「ウォルター・ミティの秘密の生活」。1947年に一度「虹を掴む男」というタイトルで映画化されており、今回は2度目の映画化となります。
映画の名門一家ゴールドウィン・ファミリーが3世代で関わっている映画です。1947年公開時のプロデューサーは、サミュエル・ゴールドウィンでした。今回のリメイク作では、その息子のサミュエル・ゴールドウィンJr.と孫のジョン・ゴールドウィンが制作に加わりました。
映画の舞台・ロケ地
マンハッタンのオフィスの地下から、1枚のネガを探して北極圏までひとっ飛びしたウォルター。映画の舞台は「グリーンランド、アイスランド、アフガニスタン」ですが、実際の撮影はアイスランドとニューヨークで行われました。
スティッキスホールムル(Stykkisholmur)
ヘリコプターに飛び乗ったシーンは、アイスランド北西部の「スティッキスホールムル」という街で撮影されています。スウェーデンの首都ストックホルムと名前は似ていますが、ぜんぜん別の港町です!
ウォルターがグリーンランド航空に乗ってニューヨークから一路目指したのが、グリーンランドの首都ヌークです。しかし、空港に到着するシーンも、実はアイスランドの辺境の街ヘプンで撮影されました。
グルンダルフィヨルズル(Grundarfjörður)
アイスランドに到着したウォルターが、フェリーから自転車に乗り換えて颯爽と走り出すシーンの風景は、このグルンダルフィヨルズルで撮影されました。
グルンダルフィヨルズルはスナイフェルス半島にあり、この半島は絶景の中の絶景と呼ばれるスポットがいくつもあるとのことですので、是非立ち寄ってみたい場所です。
セイジスフィヨルズル(Seyðisfjörður)
ウォルターがスケートボードで、坂道を颯爽と滑り降りていくシーンが撮影されたのは93号線のVesturvegurという道路です。
スケートボードで滑走したのはスタントマンではなく、ベン・スティラー本人とのこと。アイスランドの絶景を背景に滑る姿はとてもかっこよかったですね。
坂を下った先にはセイジスフィヨルズルという街があり、高台から街を眺めるシーンはここの港町で撮影されました。
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ヴァトナヨークトル国立公園(Vatnajökull National Park)
アフガニスタンの山岳地帯を抜けて、ヒマラヤ山脈を歩くシーンと広大な雪山は、ヴァトナヨークトル国立公園で撮影されました。
この国立公園はアイスランド国土の14%に相当する広さで、ヨーロッパ最大規模の氷河を見ることができます。
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1271 アベニュー・オブ・ジ・アメリカス
再びニューヨークのオフィスに戻ってきたウォルター。多くの撮影は、かつてのタイム・ライフ・ビルのある6番街で行われました。
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周りの観光スポットやツアー
火山、間欠泉、白夜、オーロラ..と言ったダイナミックな自然の宝庫、アイスランド。是非訪れて欲しい観光スポットをご紹介します♪
首都レイキャビク
北極圏に近いアイスランドは、夏の間は日が沈まない「白夜」が訪れます。
レイキャビクでは夏至の6月21日あたりから約10日間が白夜とされ、一番日が長い夏至の日は深夜0時頃日が沈み、その3時間後には日の出となります。太陽が沈んでもまたすぐに昇って来るため空は暗くならず、夜になっても明るい白夜という現象が起こります。
夏至の前後1ヶ月半は夜になっても明るい為、この間は星空とオーロラ鑑賞はできませんので、ご注意を。
夏の間だけアイスランドにやってくる渡り鳥「パフィン」は、現地で見てみたい海鳥です。そのユニークな顔とカラフルな色彩はこの時期しか見られません。
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レイキャビク港発のパフィンツアーもありますので、白夜体験と共にいかがでしょうか♪
アイスランドのゴールデンサークル
アイスランド南西部には「ゴールデンサークル」という、大自然を満喫できる観光スポットが3つあります。
世界遺産 シンクヴェリトル国立公園(地球の裂け目ギャオ)
ギャオはアイスランド語で「裂け目」という意味。東のユーラシアプレートと西の北米プレートが引っ張り合って出来た「地球の裂け目」を自分の目で見ることができます。まさにここしかない、レアなスポットです。
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シンクヴェリトル国立公園へは、レイキャビクから車で約1時間です。
ゲイシールの間欠泉
ゲイシール間欠泉は、シンクヴェリトル国立公園から車で約50分の場所にあります。現在は活動を休止しているものの、まれに大噴出することもあるそうです。
このエリア一帯は活発な地熱活動が行われており、お隣にあるストロックル間欠泉では、定期的に間欠泉の噴出を見ることができます。
英語で間欠泉を意味する「Geyser(ガイザー)」の語源となった間欠泉です!
グトルフォスの滝
アイスランド語で「黄金の滝」の意味を持つこの滝は、ゲイシールの間欠泉から車で約10分程。アイスランド最大規模の滝で、深さは70mにも達し、冬でも滝は凍ることなく落ち続けます。
ブルーラグーン
ミルキーブルーが美しいこのブルーラグーンは、首都のレイキャビクから車で約30分程のところにある天然温泉です。面積にしておよそ5,000平方メートル。世界最大規模の大きさを誇ります。
「シリカ」と呼ばれる白い泥が施設内各所に設置されています。天然のミネラルを豊富に含むので、顔や首筋に塗って泥パックを楽しみましょう。店内のショップでお土産用として購入することもできます。
併設のレストランでは、アイスランド料理が楽しめます。ファインダイニングになりますので、おしゃれ着に着替えていきましょう。
現地の食べ物・おみやげ
映画の中で度々でてくるおいしそうな食べ物たち。ここではそんなB級グルメをご紹介します♪
パパ・ジョンズ
映画の中でアメリカのピザチェーン店「パパ・ジョンズ」が登場しますが、実際にアイスランドにチェーン店はなく、ベーカリーの外観を改装して撮影が行われたそうです。
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パパ・ジョンズは世界約50カ国でチェーン展開をしています。ピザを頼むと必ずついてくるガーリックソースは中毒性が高く、これをピザの耳につけて食べるととってもおいしいとか。日本にチェーン展開する日が待ち遠しいですね。
クレメンタイン・ケーキ
劇中でウォルターのお母さんが作ったクレメンタイン・ケーキ。アフガニスタンで通行許可を取るための“ちょっとしたプレゼント”として活躍します。
強面のアフガニスタン部族の男が、銃の先にケーキをひっかけておいしそうに頬張っていたシーンがとても印象的でした。(ケーキはどうやって運んだんだろう?)
クレメンタインはスペイン産のオレンジで、日本ではあまり流通していないようですが、みかんを使って作ることもできるようですよ♪
シナボン
ロサンゼルス空港で拘束されたウォルター。トッドが差し入れたのが、「シナボン」と呼ばれるシナモンロール。
シナボンはアメリカにある菓子パンチェーン店で、主力商品「シナボン」が、そのまま店名になっています。こちらは日本でも関東と九州に店舗がありますので、ぜひお店で味わってみて下さい。
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オススメのホテル・交通情報
ブルーラグーンまで行ったなら、せっかくなので宿泊してもう少しのんびりしませんか?おすすめなのは、ブルーラグーンの近くにあるシリカ・ホテルです。ホテルは全体的にスタイリッシュな造りになっており、宿泊者専用のプライベートブルーラグーンがあります。朝から夜まで好きな時間にゆっくり入ることができます。
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交通機関
ゴールデンサークルはレンタカーで巡るのが便利ですが、バスツアーも多くありますので、宿泊と一緒になったパッケージの利用も便利です。アイスランドは世界で3番目に物価が高いので、旅行の計画と予算は前もってきっちり立てておきましょう。
まとめ
映画ではベン・スティラーの格好良さもさながら、ショーン・ペンも渋くて本当にいい味出しています!自分の意志で一歩を踏み出すと勇気と、プロフェッショナルとは何かを教えてくれるこの映画。「LIFE!」は人生ってすばらしい、と単純に思わせてくれる素敵な映画です。
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