映画「キングダム」は中国の春秋戦国時代を舞台に、天下統一のための激しい戦いを描いています。原作は同名少年漫画「キングダム(集英社)」で、現在までに61巻、累計発行部数8000万部(2021年4月現在)のメガヒット作です。
中国の歴史ドラマであること、兵士がぶつかり合う戦闘シーンが多いことから、映像化は難しいと言われていましたが、中国現地でのロケーションに成功し、俳優陣の徹底した役作りや、迫力ある殺陣のシーンなどにより見ごたえのある作品になっています。
今回はそんな映画「キングダム」の舞台となった陝西省西安市、ロケ地として使われた浙江省寧波市のスポットを一緒に巡っていきます!
あらすじ
舞台は中国の春秋戦国時代。少年奴隷の信と漂は「天下の大将軍になる」という夢を叶えるため、日夜剣術の稽古に打ち込んでいた。
ある日二人の前に、秦国の大臣、昌分君が現れる。漂を王宮へ仕えさせると言って連れていくが、王宮に行ったはずの漂はそれからしばらくして、刀傷だらけの瀕死で信の元へ戻ってくる。漂は信にある地図を託し、目的の場所へ行けと言って息絶える。信がその場に向かうと、そこには死んだはずの漂が待っていた…。古代中国を舞台にした、若者の愛と立身出世の歴史ロマン!
主な出演者
監督:佐藤信介
出演者:
山﨑賢人(信)
吉沢亮(漂/嬴政)
長澤まさみ(楊端和)
橋本環奈(河了貂 てん)
本郷奏多(成蟜)
石橋蓮司(竭氏)
加藤雅也(肆氏)
宇梶剛士(魏興)
高島政宏(昌文君)
満島真之介(壁)
要潤(騰)
大沢たかお(王騎)ほか
この映画には豪華俳優陣が出演していますが、俳優たちは徹底した役作りにのぞみました。主人公の信を演じた山崎賢人は、武人の身体を表現するため、約10キロも減量して撮影に臨んだそうです。また、漂と嬴政の二役を演じた吉沢亮は、同じ顔の二つの役を目力の強さで演じ分けるようにしたそうです。王弟の成蟜を演じた本郷奏多の演技力にも注目。いい人も悪い人も、複雑に演じ切る俳優さんです。
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映画の舞台・ロケ地
今回は「キングダム」のロケ地となった中国浙江省寧波市と、物語の舞台である陝西省西安市の観光スポットをご紹介します。
象山影視城
浙江省寧波市にある象山影視城は中国の映画村で、歴史時代劇用の街並みや建造物のセットが設置されています。
映画「キングダム」のクライマックス、咸陽宮での戦闘シーンに利用されました。このシーンでは4日間にわたってスタッフ約700人、エキストラが総勢1万人も参加するという大規模なものだったそうです。
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撮影ロケ地として使用されることが多いようですが、一般向けの観光地としても公開されており、入場料は150元(約2400円)です。
函谷関
函谷関は嬴政が治める秦の国門です。「キングダム」原作では、函谷関のもと、秦と五ヶ国連合の攻防戦が繰り広げられます。
函谷関は春秋戦国時代と前漢時代に2回建設され、春秋戦国時代のものは旧函谷関と呼ばれています。旧函谷関は三層の高楼を有する建築物で、高さは66メートルあったそうです。しかし、後に破壊され、約2000年後の1992年に復元されました。
入場料は80元(約1300円)で、復元された函谷関以外にも、巨大な老子像などが設置されています。
裾野市富士山資料館(静岡県裾野市)
じつは里典の家は、静岡県裾野市須山十里木高原の蕎麦畑でロケが行われました。目印となるのは「富士山資料館」です。
じつは同じく福田監督作品の「新解釈 三國志」で孔明の家に使われたのと同じロケセット。「富士すそのフィルムコミッション」が保管し、ときどき組んで展示しているようです。今は解体されてしまいましたが、使いまわしってエコでいいですよね。
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周りの観光スポットやツアー
舞台となった西安市、ロケ地のある寧波市にはまだまだオススメのスポットがたくさんあるので、いくつか紹介します♪
西安鐘楼
西安鐘楼は、明朝初期1384年に建てられ、1582年に現在の場所に移されました。巨大な鐘楼は夜間はライトアップされ、西安のランドマークとなっています。
南塘老街
寧波市の八大歴史街区の一つとなっているのがこのスポットです。水路に沿って軽食店や土産物屋が立ち並んでおり、リノベーションされた古民家が歴史ある雰囲気を漂わせています。
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ワンタンや湯団(もち米の粉で作る団子)、牛肉麺など、様々なグルメを楽しむことができます。
天童禅寺
天童禅寺は、寧波市にある禅宗の寺院です。太白山のふもとに位置しており、静かで落ち着いた場所です。
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日本曹洞宗の祖である道元がこの寺院で修行を積み、その後福井県で永平寺を開きました。また、水墨画で有名な画家の雪舟もこの寺の首座を務めたことがあり、道元のほかにも日本から多くの禅僧が修行のために訪れていたそうです。
西安城壁
西安城壁は、西安市の中心部をぐるっと取り囲む城壁です。夜はライトアップされます。
中国では市街拡張のために多くの地域で歴史的な城壁が取り壊されてきましたが、西安市には城壁が一周分だけ、今でも残されています。
全長14キロメートルもあり、西安市内の風景をのんびりと眺めるのに適したスポットとなっています。入場料は54元(約850円)です。レンタサイクルを利用して城壁を一周することもできます。
兵馬俑
兵馬俑とは兵士や馬をかたどったもので、キングダムに登場する秦の始皇帝を埋葬する際に副葬されました。西安の北東30kmの驪山北側にある、ユネスコ世界文化遺産です。
「秦始皇兵馬俑博物館」には約8000体もの陶俑が展示されており、兵士の表情はひとつとして同じものがありません。当時の人々の技術の高さがうかがえます。
兵馬俑を上から見下ろす通路が設置されており、様々な角度からじっくりと鑑賞できるようになっています。
入場料は大人120元(約1900円)、子供60元(約950円)です。
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現地の食べ物・おみやげ
ビャンビャン麺
西安市のグルメとして有名な麺料理、ビャンビャン麺です。
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「ビャン」という漢字は画数が非常に多く、中国人でも書けないと言われるほどです↓
麺は2~3センチ幅の平たいもので、食感はうどんに似ています。麺の上に刻んだ唐辛子やネギをかけるのが一般的で、酸味と辛さのあるスープが癖になる一品です。トマトと卵の炒め物や羊肉などの具材が入っています。
白蟹炒年糕
寧波市で食べられるオススメグルメ、白蟹炒年糕です。
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ワタリガニと年糕(お餅)を炒めた豪快な一品です。カニの赤い甲羅と白い餅の色彩の対比が見た目にも美しく、カニの肉とミソの旨味が餅にうまく絡み、味わい深い一品となっています。
ワタリガニは寧波市の名産品で、旬を迎える季節にはワタリガニ祭りが開催されます。
交通機関
寧波市への交通機関
寧波市へは飛行機と高速鉄道を乗り継いで行きます。関西国際空港~杭州蕭山国際空港までは直行便で約3時間半のフライトです。杭州に着いたら、杭州東駅で高速鉄道に乗り換えれば、1時間で寧波駅に到着します。
西安市への交通機関
西安市へは飛行機で行くことができます。成田空港から北京空港や上海空港などを経由し、約9時間で西安咸陽国際空港に到着します。(直行便なら5時間ほどの距離ですが、現在は経由便しか飛んでいないようです。)空港から市内への移動は空港バスや地下鉄が便利です。
まとめ
映画「キングダム」の舞台である西安市とロケ地となった寧波市のスポットをご紹介しました。近年IT分野を中心に目覚ましい発展を遂げている中国ですが、その悠久の歴史を感じられる名所を巡ってみるのも面白いですね。中国には数えきれないほどのおいしいグルメもあるので、迫力ある戦いが繰り広げられたスポットを探索しながら、現地のグルメを堪能するのもオススメです!
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