1988年に公開されたアニメーション映画「となりのトトロ」は世界的な人気を誇るスタジオジブリの代表作です。日本の子供たちにとってオープニングソング「さんぽ」と、エンディングソング「となりのトトロ」は、もっともよく耳にする大好きな曲のひとつでしょう。
「となりのトトロ」はスタジオジブリの評価を確立した作品です。2020年に発表されたイギリスの有力新聞「ガーディアン」のランキングでも「好きなジブリ作品4位」と高評価。スタジオジブリ作品のアイコンにもトトロが描かれています。ここではそんな「となりのトトロ」の舞台となった、懐かしさ溢れる埼玉の郊外エリアを中心に紹介したいと思います。
あらすじ
昭和30年代の旧き良き日本の郊外。母親の入院の為、田舎に引っ越してきた草壁一家。父と幼いサツキ、メイの暮らしが始まります。姉妹は子どもしか会えないという不思議な生き物「トトロ」に出会います。豊かな田園風景と、幼い姉妹とトトロの交流を描くファンタジーアニメーションです。
主な出演者
原作・脚本・監督:宮崎 駿
声の出演:
日高のり子(草壁サツキ)
坂本千夏(草壁メイ)
糸井重里(草壁タツオ・お父さん)
島本須美(草壁ヤス子・お母さん)
高木 均(トトロ)
龍田直樹(ネコバス)
声の出演で印象深いのは、お父さん役の糸井重里さん。コピーライターとして有名な糸井さんは、多くのジブリ作品でキャッチコピーも手掛けています。
糸井さんが当初考えた「となりのトトロ」のキャッチフレーズは、「このへんないきものは、もう日本にいないのです。たぶん。」だったそうです。
宮崎監督が「このへんないきものは、いる!」と断言したので「このへんないきものは、まだ日本にいるのです。たぶん。」になったそうです。
\ジブリ関連作品/
映画の舞台・ロケ地
さて、それではトトロの舞台となった緑豊かなロケ地をめぐってみましょう。
トトロの森~狭山丘陵~
狭山丘陵は 、東京都と埼玉県の県境にまたがる自然豊かな丘陵です。この狭山丘陵はとなりのトトロの舞台のモデルとなった森や場所が点在しており、少し名前を変えて映画に登場しています。(松郷という地名は埼玉県所沢市に実在しますし、七国山病院のモデルとなった新山手病院は、一文字違いの八国山緑地に実在します。)
狭山丘陵の豊かな自然は、「公益財団法人トトロのふるさと基金」の保全活動で守られています。狭山丘陵のトトロの森へは色々な行き方がありますが、西武狭山線「西武球場前駅」下車が便利です。駅から徒歩20分ほどで、トトロの森1号館にたどり着きます。
トトロの森は1~52号地まであり、財団によるお散歩MAPも作られています。とくにオススメはトトロの森3号地。水辺の横にデッキが整備されていて、とても歩きやすくなっています。春先に行くと映画のワンシーンにあったような、オタマジャクシやアメンボが泳いでいる様子を間近で見られます。
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クロスケの家
クロスケの家も公益財団法人「トトロのふるさと基金」により管理されている、築百年を超える古民家です。
昔ながら農家の雰囲気を残す母屋と蔵の見学ができます。母屋や蔵の薄暗い隅の方から、今にまるでまっくろクロスケが出てきそうな雰囲気が味わえます。縁側付近にいる巨大なトトロ像も有名です。
週3日(火・水・土曜、年末年始、祝日を除く)、午前10時より午後3時まで一般公開しています。※新型コロナによる公開時間の変更がありえますので、ホームページにてご確認ください。
サツキとメイの家
愛・地球博記念公園(モリコロパーク)では、映画に登場するサツキとメイの家がそのまま再現されています。
2021年10月末からは当面の間休業です(2022年秋~2023年にオープンするジブリパークへの移転工事が始まります)。
パーク内の「どんどこ森エリア」は自然をテーマにしており、サツキとメイが住んでいた家を中心に、昭和の田園風景を再現した施設となるそうです。映画に出てきた社や散策路も整備される予定とのこと!今から完成が待ちきれません。
周りの観光スポットやツアー
ロケ地周辺には、自然と一体となって五感で楽しむアクティビティに溢れています。
メットライフドーム
埼玉西武ライオンズが本拠地のメットライフドームは、ととろの森の最寄り駅、西部狭山線「西武球場前駅」を降りたら目の前にあります。
トトロの森で自然を満喫した後は、ビールを片手にプロ野球観戦もいいですね。
小江戸 埼玉県川越市
埼玉県川越市は小江戸と呼ばれ、東京からは失われた江戸情緒が息づく街。古い建物はセットなどではなく、すべて江戸時代から続く現役のものばかり。日本でも貴重な体験ができるエリアです。
狭山から車なら国道16号線で30~40分程度、新宿線に乗車すれば40分~ほどで移動ができます。少し足を伸ばして江戸の空気を楽しんでみてはいかがでしょう。
川越では買い食いグルメもたくさん!迷惑をかけない程度に、あちこちで美味しいものをつまんでみて。
ととろのバス停~大分県佐伯市
「となりのトトロ」が公開されるずっと前から、大分県佐伯市には「ととろ」というバス停がありました。かつては路線バスの停留所でしたが、現在は佐伯市のコミニティバスの停留所として利用されています。
バス停のすぐ隣には「ととろの里 ハガキ記載所」があり、横には昔ながらの赤い郵便ポストが設置され、そこから手紙を出すことができます。
藤河内渓谷
ととろのバス停のある大分県佐伯市は、藤河内渓谷が有名です。
祖母・傾・大崩ユネスコエコパークに登録され、夏はキャンプ、秋は美しい紅葉が楽しめる渓谷です。特におススメは夏場のキャニオング!渓谷の水は透き通るほど青く、水は飲料水として飲める程澄んでいます。
熟練のガイドと共に飛び石を越え、滝つぼに飛び込んだり、岩肌の斜面を利用してスライダーも楽しめます。近くに温泉もあるので、帰りは温かい湯船に浸かるのもいいですね。
現地の食べ物・おみやげ
映画ではさつきが作るお弁当や、おばあちゃんの野菜畑でトウモロコシやキュウリを収穫する場面が出てきます。ロケ地周辺にある美味しいものもチェックしましょう!
café&restaurant周(しゅう)
トトロの森2号地を背に建つ、煉瓦と深緑の外壁が目印の、トトロの森の小さなレストランです。おいしいパスタとピザのお店で、テラス席もありますので、鳥のさえずりを聞きながら、ゆっくりとした時間が楽しめます。
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小江戸おさつ庵(川越)
いろいろ美味しい川越でも、食べ歩きのお供といえば、小江戸おさつ庵の芋チップス。
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パリパリのさつまいもチップスはそれだけでも美味しいのですが、おさつアイスと一緒に盛りつけたデザートメニューもありますよ!
森のレストランRyuo(リュオ)
大分県佐伯氏にある「森のレストランRyuo」は、バス停「ととろ」のすぐそばにあるレストラン。野生鹿肉を使ったジビエの洋食がいただけます。野菜は自家の畑で栽培されたものを提供しています。ウッディな落ち着いた店内で、外にはテラス席もあります。
5月下旬からは近くの川でホタルも見られるそうです。
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交通機関
狭山丘陵へは電車やバスを使って最寄り駅まで行ったら、あとは徒歩でアクセスが便利です。お散歩を兼ねて色々周辺を歩き回ってみましょう。
大分県佐伯市は公共交通機関を利用しての移動が難しいため、レンタカーなど、車での移動がおすすめとなります。
まとめ
テレビで再放送する度に、思わず何度もみてしまうとなりのトトロ。じつは映画公開当初はそれほどヒット作ではなかったものの、テレビ放映を重ねるごとに人気が沸騰、日本におけるテレビ放映回数はじつに17回だそうです(2021年7月現在)!ロケ地は映画の舞台をそのまま味わえる自然豊かなところばかりなので、週末は森を歩いて自然と触れ合まってみませんか?
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